背中
第十八章 つらいんだ

つらい季節

土門は目を覚まさなかった。


1日たっても。

1週間たっても。


病室にくるたび、願う。


目を開けて笑って。

手を振って出迎えて。

口を開けて話を聞かせて。


その思いを。

その苦しさを。


私、聞くからさ。


いつも誰かを励ましてきたあなたを、今度は私が励ましてあげるから。
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