マフィアの弾丸 Ⅲ





 ・・・・・じゃ・あ・・。



 ど、・どうしろと。

 いうんだ・・・・・。




 寝かせていた記憶が、いまの状況に『待った』をかけるべく
 起こしにかかるよう脳裏に浮かんで。



 開きかけた口を、すぐに噤んでいくと

 でかかった抵抗すら即座に呑み込んで自身への、戒告(かいこく)とした。




 いや、────・・・そもそも第一、この、目のまえの猛烈に美しい
 (だけの)男に、負けた気になるのもなんだか癪で。



 そうすると、自ずと弱腰だった意識も目に、力を入れることで

 なんとか突っ撥ねられる、…と『負けず嫌い』を発動させれば彼と対抗するように。



 キッ、と眉尻をつりあげる他なく。




 ・・・・・煌びやかな会場では、・まったくもって似合わない敬語つかってあんな、
 ふうに礼儀ただしく
 綺麗な女性たちと話してた。




 私の知らない、


 "彼ら"の────…

 もうひとつの、生態、




 「────…フッ。オイ、男に股開かれてる分際で考えごとするなンて随分、余裕だなァ?


 ナメてんの?」



 「っ、!ッ」


 グイ、



 …つい、伏せてしまった視線。



 しかし、

 気づけばさらに開かせられた両脚に。


 冬の冷気と、ほのかな吐息がまじり合ったように肌を焼いて
 内腿の皮膚を、刺激するから。



 ビクン、────ッと。

 大袈裟にからだが揺れてしまった、


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