マフィアの弾丸 Ⅲ





 でもそう言えば、
 ・・・・カーフェイさん、も。

 ・・・伊周(これちか)さん、
 とキス・・・・して、




 『────…カーフェイ、』




 「…」




 ・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・



 ・・・・




 「……〜〜ッハァ、」




 関係性の『名前』、なんて。

 要らないっ、て。



 そうおもって、やって来ても結局は『自分は何?』を求めてしまう。




 「────ケホ、ッ。けほっ」




 無意識にでた咳。

 すこし、閉塞感のあるソレは、持病特有の、




 (・・・・・嗚呼、寒い)




 ぶる、____っと足先の芯から震えあがったからだに、シャワーでは暖をとれない、と
 すぐに蛇口を捻ると
 じゃーじゃー、流しまくっていたお湯を止めた。



 そのまま、湯気の立ち昇る浴槽のなかに、ゆっくり。

 冷えた肌を、沈めていく。



 じわり、じんわり。

 寒さに冷えるのは早いくせに、熱いお湯に、肌が温まってゆくのも
 急速な自身の冷えのぼせ体質には
 もはや、呆れと微笑で誤魔化して。




 ────ちゃぷん、と不恰好に揺れた、浴槽に張る水面。


 ぼんやりと反射するじぶんの姿も、

 それはそれは類似して不恰好で。




 (……ああッもう、自分しんどい考え込みすぎちゃうのも
 シンドイ。なのに
 逃げ場ない、)


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