マフィアの弾丸 Ⅲ





 「____気のせーだろ。…嗚呼、いまオンナでヌイたばっかだから
 "ソの声"と間違えてンじゃねぇ?」


 『……最中なのになんで、電話
 ッコホっ、かけてくるんですか』

 「確認だよ」


 『っ、────かく…にんっ』



 『って、何の、』────そう、詰まるように吃ったコイツは案外、正直(マットー)だ。

 基本、嘘は吐けねぇー性分(たち)だから咄嗟の反応には疑る"ナニカ"を見出すのに、
 造作もない単純さだが。


 まァ厄介なことに、肝心の根底には
 行きつかせてくれそうもない変に、生真面目さも兼ねてある側面が至極、
 面倒というところだろう。




 「────ナァ、」




 そうであるからして。

 最速に本題に移すべく声質をすこし下げた男は、



 「お前今日、外に出たか」

 『…、』




 ____ただひとつ。

 核心だけに触れた────…。


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