マフィアの弾丸 Ⅲ
────────────
─────
『…………、____何の確認ですか』
────…予想どーりの切り返しだった、か。と。口許で紫煙を焚く短くなった煙草の端くれを、親指と人差し指でつまみながら
涼しい表情をした長身の男性が。
ようやく、
暗がりから仄かな豆電球のあかりの下に
その姿を、現す。
すらりと伸びた、長い脚は、錆びれた手摺りを重心に腰をあずけ片足は痞えにされ、その様はもう、一般人ではなくもはや、モデルの撮影をしているかのごとく一枚の、画のようである。
そのまま腰を立ち上げた男は、
ゆらり、ハラりと靡くシルバーブルーの髪を雑に、たくし上げ。
きれいに楕円を描いた純銀の瞳孔を
狂気にそめると
目下の伸びた血溜まりの男たちへ残忍に、差し向けられていく。
…その面立ちは、
能面のように笑っているようで────嘲笑っていない。