マフィアの弾丸 Ⅲ
第三章.

沈黙と雑話と、安寧。






 §




 ────…ひんやり、
 皮膚をとり巻く冷気が布地越しにも、貫通してブルッと震えた。




 刹那、意識が浮上するのといっしょにトン、とつきあたった
 まぶたの感触を得。

 その感覚のままに重たいまぶたを、
 突き上げていくと、
 なんとか『____今日も起きれた』なんて実感して半身を
 暖かな布団のなかから起こそうとする、




 「……ッは、…けほッケホ、」




 ・・・・・嗚呼そうだ、

 昨日ちょっと喘息がでて引きずっちゃってたんだった・・・・・・。



 背中を折り曲げ、必要以上に胸を張らないよう、細心の注意をはらって息をととのえて。

 ゆっくり、起き上がると
 ホゥっと小さな嘆息をついて重みのある、足下に視線を動かした。




 (…コウちゃん)



 こんもり膨らみをつくった布団のうえには、その"重み"の分だけ
 沈んだ箇所がある。

 顔を覆うように
 からだを丸めてすぅーすぅー眠っているコウちゃん。


 その愛らしい姿に、いつもながら破顔して癒しをもらいつつ
 グッ、と腹にちからを込めようやく起床。




 ぼやっとした脳内は、起き抜けだからかまだ、正常に稼働するには時を要するのだけれど、


 ふと思いたった事象を記憶に、呼び起こして『…今日は、ゴミの日。か』
 ────と。

 そう、納得すれば
 とりあえず頭のフル稼働関係なく動きだす理由にはなるワケで。




 (……よし、)


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