マフィアの弾丸 Ⅲ





 布団から抜け、棚に仕舞ってあった吸入器で2回ほど吸入すると
 すこしだけ呼吸するのがラクになった
 感覚に、気をもち直した私は。


 暗がりの階段を降りて
 早朝から電気の点いたキッチンへと身を投じていく。


 ソコでは
 早朝にもかかわらず、母さんが常住坐臥(じょうじゅうざが)のごとく
 私たちの朝食を準備してくれていて。




 「あっ、おはよう伊万里」


 「ん……ぉはよ。きょう、…ゴミ?」

 「そう。ちょっと量多いからねー。おばあちゃんオムツすぐ、替えて捨てちゃうから」


 「……あぁ、」



 そう言えば漏らしがちになって、ついこの間から紙おむつに変えた。とかかんとか言ってたっけ。



 そんなひとりごとを、ぼうっとした頭で積み立てながら手作業はキッチンの、
 ゴミ袋たちをまとめていって。


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