マフィアの弾丸 Ⅲ
____カツ、ン
踵のほうがくがゆったり、こちらに傾いて。
人外的な美丈夫が固まった私の動向を
ジ、と見定めにきているんだろう事も予測にたやすかった。
それでも
どうやら『待つ』には惜しい、と判断したのか。
ビクッ、
カーフェイさん、が。
足音の韻を踏むたびに肩が、跳ねあがる。
・・・・・大袈裟だ、
しらばっくれればいい、何か言われたら。
たかだか、
数十日、会っていないだけの事、と。
────…なのに
やおらに、歩み寄ってくる質の高そうな、革靴の踵音が異様に
耳にこびりついてきて、