マフィアの弾丸 Ⅲ





 ────なんて。
 そんなことに拍子抜けしていっしゅん、脱力してた自分の、度胸にもビックリだが。



 瞬時にまい戻ってきた意識が、無意識が、無意識のうちに昨日の意識の糸を
 たぐりよせて来たので、
 さすがに咄嗟に顔を伏せてしまったのは致し方あるまい。




 (………ぁっ。ヤバっ、い。

 不自然だった。否でもムリ…じゃないか?)




 ────…そう考えたら。


 変装して、あんな煌びやかな会場に(半強制的だった、とはいえ)潜入してまで、

 相対(あいたい)してしまった昨夜の出来事はいまだに、記憶に鮮明。



 ・・・で、も。

 バレて、なかったハ、ズだ・・・・・。




 などとひとり、脳内で慌ただしく言い訳のごとく、フル回転をして俯いていた折、


 …不意に。

 ツ____、と耳たぶに触れられた感触。



 つめたい指先が、
 ソ、と撫でるように上下にうごいたような気がして。



 ドキリッ。

 心拍が跳ねた。




 (……………………ッぁ、)



 マズ、い・・・・・・。




 「────っ()ッ」


 「…ココ、どうした。血だまりができてる、」

 「っ」



 ・・・・ヤバっ、。

 すっかりピアス開けられた事、忘れてた、


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