マフィアの弾丸 Ⅲ
後ろからダイレクトに、耳にとどくシルバーブルー男の、
低くも艶っぽい声音には内心、
どきり。
心臓が跳ねたものの
相も変わらず、
無作法な態度の、ワルさときたらほんっとーーに・・・・、
いや・と言うかいい加減、離してくれんかね|Mrミスターよ、
乗車した瞬間からアーウェイさんに、羽交締めにされたままの自分の状態が
さすがに、恥ずかしいよ、
気恥ずかしいだろうよ!
そして
この状況にもかかわらず、悠然と、通常どおりに乗り込んできたカーフェイさんの神経も、さすがに疑いますよっ?!!
フツーに頭上で会話なさっているけどもさ、
「____ったくそーゆーコトかよ。だからカーフ救急箱もって来いっつったのか」
「あぁ」
ちょっとっっ、
ほんとに、
「つーか何、あんたがコイツにピアス開けたの」
「…今日が久しぶりに会ったのに知る訳がないだろ」
「ん〜、だよナァ」
「ッ、」
────っえ、
スリ、羽交締めにされるが儘の手が、まわり込むように耳朶に宛てがわれ、必然とその面立ちが
背後からでも、首もとに
ちかづいた気配を感じビクッ。と大袈裟に
反応してしまった。
・・・・・さっき、から。
あまりに、・・・・至近距離、で。
一瞬でも気を抜けば、おもい、だし、て、しまう、
『…あっっま、』
あの、トキの、
『────…フッ。オイ、男に股開かれてる分際で考えごとするなンて随分、余裕だなァ?』
噴水広場での行為、を・・・・・。
『ナメてんの?』
そう、そしたら。
そうしたら、いつも通りの感じをわすれてしまう____…、
「…アーウェイ、」
「…」
「……へいへい」