マフィアの弾丸 Ⅲ
(…あ。嗚呼、…そっか、アーウェイさんから聞いた、のか)
昨晩、電話したことをすっかり、スッポリ抜けおちて忘れていたところだったけど。
そう言えば
アーウェイさんが『確認』だとかかんとか、言って
電話してきたんだったっけ。
そのときはちょっと、
・・・・・咳がでてたし。
「……ぁ、ぇっと。今朝は、吸入した、ので」
だいじょうぶ、と口にした私をちら、と見た、(サングラス越しではあるけれども)彼────…、カーフェイさんは。
キュ、と眉間に皺をよせ
流れるような所業で
目許にあった"ソレ"をとり外していくと、
宝玉のように濃い、闇色の双眸が
こちらに向き合うように意味深に、私のことを見詰め下ろしにきて、
「っ、」
嘆息を、吐きそうな眼差し。
その目の動きだけでも、サマになりすぎて反応に困る、
そうして浮世離れした人外的な面立ちが微かに、苦味ふくませていくと、
「…なら、眠れてねぇのはナニが理由だ?」
「えっ…、何、」
「なにか煩うことでもあったのか」
「……ぃ、えっ、あの」
「じゃあなんであからさまに目を逸らす?気付いてないとでも思ったか」
・・・・・いや、おもってません、ゼッタイ分かりやすく避けた行動とってるなって自負してますとも自覚ありますとも。
でも、だって────、
だって、
どうしたら・・・・・、