マフィアの弾丸 Ⅲ





 なにより頭上で交わされていた会話が、常とはめずらしく
 カーフェイさんの
 ほうから突っかかるようにして仕掛けたようにおもえたので。




 (・・・・・、
 カーフェイさん、って、こんな直情型?)



 怒ってる、雰囲気ぐらいまでは今、まさに痛感した。
 のだけども・・・・・。



 唐突なその、微々たる変化にわけも分からず瞬いてしまう目を。

 右往左往、忙しなく揺動させふたりの動向をうかがっていた折だったから、


 つい、飛びでた気になるワードも引っかかりだすとおもった事と脳内が直結したように、
 口に出てしまったのだ。




 「……、あ。ぁぇっと。すみません、立ち入った事を、」



 おもいっ切り踏み込んだ、

 ・・・なんて。



 ほんとに、今更ながらに踏みこむ勇気も無かったクセにと自身を責める声が
 あたまに、響けば。

 下唇を噛み口内に、押しとどめた言葉たちを封じるしかなくなる私も、相当、臆病者である。




 「べつに立ち入ってねェーよ。いまさら隠すほどのモンでもねーし。まっ、周知の情報(じじつ)だしな」

 「…ああ」


 「……は、はぁ、」


 「異父兄妹だがな」

 「あっ、い、異母きょうだい。でしたか」


 「『異父兄妹』っつってンだろ」


 「……いふ、きょーだい」

 「おー」




 あぁーー、そっか。

 そうなんだ。


 いふ、兄弟?



 ・・・・・・・・・・・

 ・・・・・




 ____…いふ?




 《脳内図式》


 異母・・・

 →母


 異父・・・

 →父




 …




 「んえぇっ?!!」


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