マフィアの弾丸 Ⅲ





 ・・・・っやっぱ、・・・知って・・・・・、




 「昨日パーティーにいたな、お前」

 「っ、」

 「化粧と『うぃっぐ(?)』だかで随分、盛ってたがあの躑躅(つつじ)髪のじゃじゃ馬、
 どっからどー見てもてめぇーだろ」



 グイ____、顎下を強引に掬われながら
 上げられた顔が
 背後の、アーウェイさんと視線を突き合わせる体勢になって。

 あまりの至近距離にさすがに、
 からだが硬直する。



 ふわり。漂う、いつものアロマの香りと苦味を帯びた喫煙者独特の、におい。

 猛烈に美しい(かんばせ)と、きれいに楕円を描いた銀の鋭い双眼があまりに、




 ・・・・・間近、。




 「ッ、────い、いや違っ
 だからっっ、ダレかと、勘違いっ」




 しどろもどろ。

 齷齪(あくせく)と立て並べるじぶんの、がさつな言葉がどこまでも言い訳がましく、無様なことよ。


 しかし、そんな私の心情など露知らず(────否、知ってはいるのかもしれないが)追い討ちのごとく。

 ス、と耳もとに移動した気配が妖しく、妖艶に、クツり。喉で嗤うと、









 「へェ。────…じゃ〜まァた股のあいだ、可愛がられてぇーの?」




 「っ!?!!!?」



 「…『股のあいだ』?
 ____おい、何の話だ」

 「だぁから昨日、言うこと聞かねェーコイツの股間を直接可愛いがっ、「ちょぉっ?!ちょちょちょちょっ!?!!」」



 ま、マジで勘弁してよ!?!何ってことをデリカシーもなく言うんだこの人は!?!!


 し、心臓がいくつあっても足りなくなってくるだろうが!!!?!


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