ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
相変わらず茜の言葉は、優しいながらもどこか変わっていた。
京子と言う名に、そんな意味があるとは思えなかったが、その前向きな考えに、茜の頭に手をそえつぶやいていた。
「そうねペンタスじゃないけど、茜の願い事。叶えてあげたいわ」
茜は顔を赤らめ、照れる仕草で頷いている。
ゆっくり歩きながら、空が視界に入ると、大きな月も、いつものように私達を監視するように着いてきている。
私はそんな月を意識してしまい、不安に似た気持ちを抱いていた。
駅に着くと、茜はそっと手を戻した。
「ありがとうございます。駅まで送っていただいて」
「じゃあ、私も帰るね」
先ほどの表情とは違うことを確認すると、私は安心をしていた。
手を上げ、その場から離れようと歩き出すと、茜の呼ぶ声が私を引き留めた。
「京子さん」
振り向き見た茜の姿に、一瞬息を飲んでいた。
背中ごしから見える、駅の小さな明かりは、彼女のシルエットだけを強調させる。
暗く目元の見えにくい表情ではあったが、月明かりが、白く咲くお花のように診せていた。
「お花はみんな……京子さんのような存在が、近くで咲いてほしいと思うかも知れませんね」
私はその言葉の意味を励ましとして受け止めると、笑顔を返していた。
一人歩く帰りの足取りは、力強く地面を踏みつけている。
茜に会い元気をもらうと、ペンタスを手に入れたいと思う気持ちは強まっていた。
ただ不思議と当初の目的である、願い事をすることではなく、茜の好きなその花を見てみたい思う気持ちに変わっている。
一体どんな形をしていて、どんな香をしているのだろうか。
私はこれから出会うペンタスに期待を膨らませていた。
京子と言う名に、そんな意味があるとは思えなかったが、その前向きな考えに、茜の頭に手をそえつぶやいていた。
「そうねペンタスじゃないけど、茜の願い事。叶えてあげたいわ」
茜は顔を赤らめ、照れる仕草で頷いている。
ゆっくり歩きながら、空が視界に入ると、大きな月も、いつものように私達を監視するように着いてきている。
私はそんな月を意識してしまい、不安に似た気持ちを抱いていた。
駅に着くと、茜はそっと手を戻した。
「ありがとうございます。駅まで送っていただいて」
「じゃあ、私も帰るね」
先ほどの表情とは違うことを確認すると、私は安心をしていた。
手を上げ、その場から離れようと歩き出すと、茜の呼ぶ声が私を引き留めた。
「京子さん」
振り向き見た茜の姿に、一瞬息を飲んでいた。
背中ごしから見える、駅の小さな明かりは、彼女のシルエットだけを強調させる。
暗く目元の見えにくい表情ではあったが、月明かりが、白く咲くお花のように診せていた。
「お花はみんな……京子さんのような存在が、近くで咲いてほしいと思うかも知れませんね」
私はその言葉の意味を励ましとして受け止めると、笑顔を返していた。
一人歩く帰りの足取りは、力強く地面を踏みつけている。
茜に会い元気をもらうと、ペンタスを手に入れたいと思う気持ちは強まっていた。
ただ不思議と当初の目的である、願い事をすることではなく、茜の好きなその花を見てみたい思う気持ちに変わっている。
一体どんな形をしていて、どんな香をしているのだろうか。
私はこれから出会うペンタスに期待を膨らませていた。