ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
社内に戻ると、そのペンを先生に見せ、説明まじりに問いかけていた。
「先生これ、資材置き場で見つけたんですけど、以前いた社員さんのものですか」
老眼鏡を外しペンを手に取ると、変わったものを見るような表情を浮かべていた。
「こんなペン有ったかしら?」
「もし高価な物とかでなければ、私が頂いてよろしいですか」
先生は小さく頷くと「使えるなら持って帰っても大丈夫よ」っと、気さくに声をかけてくれた。
その言葉に自分だけでは失礼だと感じ、蘭にも確認を取ろうと考えていた。
蘭は会話から理解したように、引き出しの迷う事なく所定の位置から、細い化粧箱を取り出していた。
箱から取り出し手に持ったものは、赤くて細い女性用の万年筆だった。
「大丈夫ですよ、私も以前社長に就職祝いで頂いたので」
「へっー良いじゃない。このペンと交換する」
蘭は早々と赤いペンを引き出しにしまうと、私のヒトデを見ることもなく断っていた。
「いえ、遠慮します」
「ちょっと、見なさいよヒトデが描いて有って可愛いわよ。それを白色で再現しているから、腐敗したみたいで……何だか奇妙ねー」
どんなに良いように話しても、蘭は交換させられると考えてか、こちらを見ることも拒んでいた。
先生は笑いながら、私達のやりとりを見て、なだめるように話している。
「ほら、京子ちゃん。あなたの方がお姉ちゃんなんだから、困らせちゃダメじゃない」
先生の言葉に振り向きちゅちょすると、蘭は不貞腐れた声で話した。
「でも、インク出るのですかそのペン」
二人の言うとおり、書けないことには意味がないと思い、試し書きをしようと考えた。
「先生これ、資材置き場で見つけたんですけど、以前いた社員さんのものですか」
老眼鏡を外しペンを手に取ると、変わったものを見るような表情を浮かべていた。
「こんなペン有ったかしら?」
「もし高価な物とかでなければ、私が頂いてよろしいですか」
先生は小さく頷くと「使えるなら持って帰っても大丈夫よ」っと、気さくに声をかけてくれた。
その言葉に自分だけでは失礼だと感じ、蘭にも確認を取ろうと考えていた。
蘭は会話から理解したように、引き出しの迷う事なく所定の位置から、細い化粧箱を取り出していた。
箱から取り出し手に持ったものは、赤くて細い女性用の万年筆だった。
「大丈夫ですよ、私も以前社長に就職祝いで頂いたので」
「へっー良いじゃない。このペンと交換する」
蘭は早々と赤いペンを引き出しにしまうと、私のヒトデを見ることもなく断っていた。
「いえ、遠慮します」
「ちょっと、見なさいよヒトデが描いて有って可愛いわよ。それを白色で再現しているから、腐敗したみたいで……何だか奇妙ねー」
どんなに良いように話しても、蘭は交換させられると考えてか、こちらを見ることも拒んでいた。
先生は笑いながら、私達のやりとりを見て、なだめるように話している。
「ほら、京子ちゃん。あなたの方がお姉ちゃんなんだから、困らせちゃダメじゃない」
先生の言葉に振り向きちゅちょすると、蘭は不貞腐れた声で話した。
「でも、インク出るのですかそのペン」
二人の言うとおり、書けないことには意味がないと思い、試し書きをしようと考えた。