ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
時刻は朝の九時。時間帯のせいか、通勤する人や遊園地に訪れる人もなく、静かなものだった。
動いていない遊具と、静かな商店街は、まるで廃墟ように写っている。
昨日と違った印象に不思議な光景に写っていた。
会社が視えると、相沢さんが郵便受けを確認していているのが見えた。
私は近づきながら、かける言葉を頭で考える。
「おはよう相沢さん。昨日お伺いした霞です。今日も天気も良く」
彼女は少し驚く仕草を見せると、変な言葉で答えた。
「あっ、霞さん。お待ちしていました。少しお待ちください」
慌てるように会社に入って行く彼女を見て、私は言葉と行動に疑問を持ちながら、玄関先で待っていた。
お待ちしていました。お待ちくださいって、変な言葉ね。何を慌てているのかしら? それにあの言い方は、私が来ること知っていたみたいじゃない。
不思議に思いながらも私は、素直にその場で、立ち止まっていた。
待っている間、何気なく見た玄関先は、落ち葉一つ砂埃も無い状態だった。
始業前に彼女が掃除をしていたのだろう、業務の日課になっていることがわかる。
近くには、かくすようにホウキと塵取りが壁に掛けてある。
掛けられた塵取りには、ちくせきする汚れも無く、ホウキの先は丸まることも無かった。
へっー綺麗に使われている。以外に真面目なのかな? 彼女。
そんなことを考え待っていると、扉から顔を出したのは、先生の息子、守くんだった。
私は久しぶりに会う彼に、手を上げて言葉をかけた。
「よう、元気」
「お久しぶりです。京子さんどうぞ中に……あっそうだ。相変わらずお綺麗ですね」
「おっ、ちゃんと覚えているじゃない」
その言葉は、久しぶりに会った女性には、嘘でも綺麗ですねっと言うことを、十数年前に私が教育した言葉だった。
二人の対応が気になりながらも、言われるがまま中に入ると、先生が机の上を拭きながら、こちらを意識しているのがわかる。
私は挨拶をしながら近づいて行った。
「先生おはようございます。すみません連絡もしないで急に来てしまって」
「そんなことないわ、嬉しいのよ、ここが貴方の机ね」
その言葉に気付くと、私は慌てて側に近づき、誤解を解くように話していた。
「先生違うんです。今日私が来たのは」
私は喜んでいる先生だけに聞こえるよう、小声で話そうとしたが、守君が思い出したかのように声をかけてきた。
「京子さん京子さん。前々から素敵だと思っていましたが、今が一番輝いていますね」
その言葉も、昔教育したものだった。
何て間の悪い奴なんだ。タイミングを逃したじゃない。
そんなことを思いながら後悔していると、みんなが机の前に並びはじめ、私は気まずい気持ちのままかしこまっていた。
動いていない遊具と、静かな商店街は、まるで廃墟ように写っている。
昨日と違った印象に不思議な光景に写っていた。
会社が視えると、相沢さんが郵便受けを確認していているのが見えた。
私は近づきながら、かける言葉を頭で考える。
「おはよう相沢さん。昨日お伺いした霞です。今日も天気も良く」
彼女は少し驚く仕草を見せると、変な言葉で答えた。
「あっ、霞さん。お待ちしていました。少しお待ちください」
慌てるように会社に入って行く彼女を見て、私は言葉と行動に疑問を持ちながら、玄関先で待っていた。
お待ちしていました。お待ちくださいって、変な言葉ね。何を慌てているのかしら? それにあの言い方は、私が来ること知っていたみたいじゃない。
不思議に思いながらも私は、素直にその場で、立ち止まっていた。
待っている間、何気なく見た玄関先は、落ち葉一つ砂埃も無い状態だった。
始業前に彼女が掃除をしていたのだろう、業務の日課になっていることがわかる。
近くには、かくすようにホウキと塵取りが壁に掛けてある。
掛けられた塵取りには、ちくせきする汚れも無く、ホウキの先は丸まることも無かった。
へっー綺麗に使われている。以外に真面目なのかな? 彼女。
そんなことを考え待っていると、扉から顔を出したのは、先生の息子、守くんだった。
私は久しぶりに会う彼に、手を上げて言葉をかけた。
「よう、元気」
「お久しぶりです。京子さんどうぞ中に……あっそうだ。相変わらずお綺麗ですね」
「おっ、ちゃんと覚えているじゃない」
その言葉は、久しぶりに会った女性には、嘘でも綺麗ですねっと言うことを、十数年前に私が教育した言葉だった。
二人の対応が気になりながらも、言われるがまま中に入ると、先生が机の上を拭きながら、こちらを意識しているのがわかる。
私は挨拶をしながら近づいて行った。
「先生おはようございます。すみません連絡もしないで急に来てしまって」
「そんなことないわ、嬉しいのよ、ここが貴方の机ね」
その言葉に気付くと、私は慌てて側に近づき、誤解を解くように話していた。
「先生違うんです。今日私が来たのは」
私は喜んでいる先生だけに聞こえるよう、小声で話そうとしたが、守君が思い出したかのように声をかけてきた。
「京子さん京子さん。前々から素敵だと思っていましたが、今が一番輝いていますね」
その言葉も、昔教育したものだった。
何て間の悪い奴なんだ。タイミングを逃したじゃない。
そんなことを思いながら後悔していると、みんなが机の前に並びはじめ、私は気まずい気持ちのままかしこまっていた。