その祠の×には、××が××っ×いる




「でしたら、気をつけた方がよいかと思われます」

「気をつける……?」



なぜ、なにを、どう、そのすべてが不明の気をつけろ、という忠告。

これを不審に思わない人は、もうすこし警戒心を磨くか、もしくはいま現在詐欺にでも引っかかっているだらうから、警察に駆け込むことをオススメしたい。


ついそう思ってしまうほど、村長さんの言葉は奇妙で言葉足らずすぎた。

……まあ、さっきからこの人は不審まみれではあるのだけれど。



「数日以内に、あなたは死んでしまうと思いますので」

「……はい?」



突飛な余命宣告に、思わず呆気にとられて勢いよく振り返ってしまった。


このご時世に、そんな根拠のない呪いや祟りといった脅しが通じるとでも思っているのだろうか。

……いやまあ、心霊スポット見たさに来た若者たちには有効なのかもしれないけれど。


あと、呪いとか祟りとか、そんなものがもし本当にあるのなら、きっとわたしはすでに死んでいてもおかしくはない。



「ええ……、わたし、祠を倒しただけで呪われるんですか……」



< 10 / 16 >

この作品をシェア

pagetop