その祠の×には、××が××っ×いる
内心虚無になりながらも、手は勝手にざくざくと地面を掘り進んでいく。
「いやまあたぶん、呼び出されて言う通りにしてるわたしもわたし、なんだろうなあ」
ぶつぶつ、周囲に人の気配がないからと、心の中の声が独り言としてもれてしまう。
……別に、呼び出してきた人のことが好きとか、そういうのではないけれど、いつもお世話になっているし、もとから断るという選択肢が存在しないのだ。
「タイムカプセル埋めるんじゃないんですから、ちゃんと重労働って前もって言っておいてくださいよ……っ」
まあ、一種のタイムカプセルと言ったらタイムカプセルではあるのだけれど。
多少の呆れをこめて、背後に置いてある大きな段ボールにちらりと視線をやったのち、思い切りシャベルを振り下ろした、ら。
ガツッ、と。シャベルの先端が、何か白いものに当たった。
「あ、見えた、かな?」
その白い物体をよく見ようと、膝を折った、直後。
自分の身体の方に引き寄せたシャベルが、背後の何かにカツン、とあたり。
とほぼ同時に、ガラガラガラッ……、なんていう、まるで積み木が上から下まですべて崩れてしまったかのような音が響いた。