奏くんはきらきら
ホームルーム前、ひなたと奏は教室の窓際で2人で話をしていた。
その様子は大分親密そうだった。
だが自信のないひなたは奏がちょっとアピールすると、すぐにとんちんかんな事を言って、その場を白けさせるのだった。
「昨日少女漫画の続き見たら、奏くんに似てるキャラが振られてた。」
ひなたが言った。
「やっぱりヒーローが良いって。転校生じゃなくて幼なじみ派だって。」
「良いよ、漫画は。どうだって。」
奏が言った。
「それよりも、」
「あ、ひなた、奏くん」
そこへ冴が現れて、持っていたタッパーを開けた。
タッパーの中にはわらび餅が入っていた。
「2人とも食べて食べて。」
「いいの?。」
「頂きます。」
冴は言った。
「甘い2人に甘い物を……と思って。」
「なんだそりゃ」
「ありがとう」
そう言われたが、ひなたはわらび餅を食べなかった。
目の前で奏が、楊枝でわらび餅を刺して美味しそうに口に入れた。