Tageliet──永遠の秘薬──
「やっと手に入れた⋯⋯」

 ガラスの小瓶に入れられた無色の液体を眺め、彼は声殺しひそかに笑う。その喜びに身体中が震えていた。

『血清』を手に入れたギルベルトは、目の前にあるその小瓶をあっという間に空にする。そこには少しの躊躇いもなかった。

 彼の執務机の上には飲み干した五本分の空瓶が、カラカラと転がるだけ。

 もちろん、彼がそれを手に入れていることなど、国王は知る由もなかった。

 ギルベルトは明らかな我が身の異変に気付く。体の底から沸き上がるエネルギーは、何物にも例えがたい素晴らしき力。みなぎる生命力に、彼は至福の時を楽しんでいた。

 不老不死に魅せられたギルベルトは何も知らないでいた。自分が今「生」と「死」の狭間にいることに⋯⋯。

 ふと、辺りが騒がしくなってきていることに気づく。何事かと自室を後にしたギルベルトは玉座の間へと急いだ。
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