Tageliet──永遠の秘薬──
❁.
国王たちが逃げ込んだのは『闇の森』。
まだ太陽が上っているにもかかわらず、辺りは薄暗く不気味だった。
「逃げ込んだ場所が悪かったな。この森のことならお前たちよりも俺の方が詳しい」
何処に行こうと逃げ場はないと行く手を阻むクラウスに、ギルベルトは足を止めた。
「この森はかつて『月の森』⋯⋯そう呼ばれていたそうだな? ヴァンパイア一族の聖域だったと⋯⋯」
どこに隠れようとクラウスは欺けない。命をかけた「ハイド・アンド・シーク」は、まさに最高のスリルだと高らかに笑う。
「しかしながら、誤算だった。まさか生き残りがいたとは⋯⋯詰めが甘いな」
言うギルベルトの視線は、ヴィクトールに注がれていた。
「っお前が、僕の家族を⋯⋯────」
国王たちが逃げ込んだのは『闇の森』。
まだ太陽が上っているにもかかわらず、辺りは薄暗く不気味だった。
「逃げ込んだ場所が悪かったな。この森のことならお前たちよりも俺の方が詳しい」
何処に行こうと逃げ場はないと行く手を阻むクラウスに、ギルベルトは足を止めた。
「この森はかつて『月の森』⋯⋯そう呼ばれていたそうだな? ヴァンパイア一族の聖域だったと⋯⋯」
どこに隠れようとクラウスは欺けない。命をかけた「ハイド・アンド・シーク」は、まさに最高のスリルだと高らかに笑う。
「しかしながら、誤算だった。まさか生き残りがいたとは⋯⋯詰めが甘いな」
言うギルベルトの視線は、ヴィクトールに注がれていた。
「っお前が、僕の家族を⋯⋯────」