Tageliet──永遠の秘薬──
゚・*:.。❁ 七、『終わりという名の始まり』
その日の空はとても美しく、澄みきっていた。
開け放たれたテラスへと続く格子ガラスの扉。その向こうから聞こえるたくさんの民衆の声。ワインレッドのドレスを身に纏い、イザベラはテラスへと歩み出る。
階下の大広場に集いし民衆の姿が見えた瞬間、その群衆が一斉に歓喜の声を上げた。割れんばかり歓声に手を振り応える彼女の目には、この国の民の美しい笑顔が映っていた。
「この度、葬り去られていた過去の歴史が明らかになりました。古くより語り継がれてきたヴァンパイア一族である、リーフェンシュタール家の存在。この国が失っていた、正当なる王族の存在。そして────⋯⋯⋯⋯我がシュタインフェルト一族の真の姿、その大罪。今日、この国を守ってくれた『彼ら』の存在。全て、皆の知るところでしょう」
本来ならば今ここに立っていたのはイザベラではなく、ヴィクトールだったはず。けれど彼は玉座など求めなかった。
開け放たれたテラスへと続く格子ガラスの扉。その向こうから聞こえるたくさんの民衆の声。ワインレッドのドレスを身に纏い、イザベラはテラスへと歩み出る。
階下の大広場に集いし民衆の姿が見えた瞬間、その群衆が一斉に歓喜の声を上げた。割れんばかり歓声に手を振り応える彼女の目には、この国の民の美しい笑顔が映っていた。
「この度、葬り去られていた過去の歴史が明らかになりました。古くより語り継がれてきたヴァンパイア一族である、リーフェンシュタール家の存在。この国が失っていた、正当なる王族の存在。そして────⋯⋯⋯⋯我がシュタインフェルト一族の真の姿、その大罪。今日、この国を守ってくれた『彼ら』の存在。全て、皆の知るところでしょう」
本来ならば今ここに立っていたのはイザベラではなく、ヴィクトールだったはず。けれど彼は玉座など求めなかった。