Tageliet──永遠の秘薬──
「私は、皆に救われました。だからこそ、ここに『王』として誓います。この国を、豊かな国にすると。皆が幸せに暮らせる美しき国すると! 生き続ける限り、私はこの国に全てを捧げます。皆のその美しい笑顔を守るために!!」

 沸き起こる歓声に、イザベラは胸が熱くなった。

 彼女は建国以来初の女王となり、国民に愛される国家を目指し毎日奮闘している。ライナーは相変わらず軍人として国を守り、側近としてイザベラを側で守ることを決意した。

「イザベラを頼む」それが、クラウスの遺言だったからだと────。

 あの後、数日に渡って眠り続けたクラウスは、それ以後も目を覚ますことなく、遂に永遠の命に終止符を打った。彼の最期を看取ったのはヴィクトールだけ。イザベラも駆けつけたが、彼の死に目には立ち会えなかったのだ。
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