Tageliet──永遠の秘薬──
ふと、低く澄んだ声が「心配ない」と告げる。
小さく呟かれた一言に青年は少し驚いていた。
向けられる視線に気づきながらもあえて目は合わせず、美しい青年は側においていた治療道具の箱の中から何かを取り出す。
それは小さな瓶に入れられた無色透明な液体。
そのコルクの蓋を抜き取ると、彼女の顎に手をかけ口を開かせる。そして僅か一滴、その口内へと落とした。
一連の動作をただ見ていた青年は、途端に険しい顔になる。
「何なんだ? それ。一体、何を飲ませたんだ!?」
「心配ないと言っただろう?」
「彼女を殺す気か!?」
突然声を荒らげベッドの反対側から回り込むと、その足は彼の元へ一直線。青年の手は小瓶を持つ彼の手首を捻り上げ、それを渡せと要求した。青年の握力は凡そ成人男性の腕力を遥かに超えるほどの力であったが、彼はその顔色ひとつ変えることはない。普通の人間ならば、その苦痛に顔が歪むはずなのだ。しかし。それどころか相手を鼻で笑う程の余裕を持っている。
そんな態度が癪に触ったのだろう。一瞬諦めた素振りを見せた青年だったが、今度はその胸ぐらを掴むと「彼女に何をした!? 言え!!」と詰め寄った。
無理矢理にでも視線を合わせなければならなくなったその美丈夫は、青年の持つ真っ直ぐな翡翠色の瞳を鋭く睨み返す。
小さく呟かれた一言に青年は少し驚いていた。
向けられる視線に気づきながらもあえて目は合わせず、美しい青年は側においていた治療道具の箱の中から何かを取り出す。
それは小さな瓶に入れられた無色透明な液体。
そのコルクの蓋を抜き取ると、彼女の顎に手をかけ口を開かせる。そして僅か一滴、その口内へと落とした。
一連の動作をただ見ていた青年は、途端に険しい顔になる。
「何なんだ? それ。一体、何を飲ませたんだ!?」
「心配ないと言っただろう?」
「彼女を殺す気か!?」
突然声を荒らげベッドの反対側から回り込むと、その足は彼の元へ一直線。青年の手は小瓶を持つ彼の手首を捻り上げ、それを渡せと要求した。青年の握力は凡そ成人男性の腕力を遥かに超えるほどの力であったが、彼はその顔色ひとつ変えることはない。普通の人間ならば、その苦痛に顔が歪むはずなのだ。しかし。それどころか相手を鼻で笑う程の余裕を持っている。
そんな態度が癪に触ったのだろう。一瞬諦めた素振りを見せた青年だったが、今度はその胸ぐらを掴むと「彼女に何をした!? 言え!!」と詰め寄った。
無理矢理にでも視線を合わせなければならなくなったその美丈夫は、青年の持つ真っ直ぐな翡翠色の瞳を鋭く睨み返す。