Tageliet──永遠の秘薬──
「この女を殺して私に何の得があるというのだ? 助ける気がなければ、そもそもこの城には入れない。貴様こそ、この国に何をしに来た?」
今にも殴りかかって来そうな青年の短気さにも、物怖じするどころか逆に威嚇するような相手の態度。その堂々とした姿、鋭い眼差しに青年はあからさまに戸惑っていた。
その通り。自分はこの国の者ではなかったから。
「アイゼンシュタットの者ならば、この森には決して近寄らない。その理由を知っているからだ⋯⋯」
どこか含みを持たせたその言葉に、青年は掴んでいた手を離す。
「じゃあ、彼女はなんだっていうんだ? 僕も彼女もこの森であんたに救われた」
だろ? とベッドに視線を移す青年に、彼は「この女は例外だ」と呟く。
「よそ者に何も語るつもりはない。彼女の傷も、明日には癒えよう。────後はその女次第だ」
弱々しい呼吸を繰り返しながらも、その命を必死に繋ぎ止めようとしているその寝姿を、彼はただ無表情に眺めている。それはまるで、彼女を責めているようにも見えたのだ。
「なぜ、そこまでして『生』にしがみつく」────と。
彼の心の声が、青年には聞こえた気がした。
今にも殴りかかって来そうな青年の短気さにも、物怖じするどころか逆に威嚇するような相手の態度。その堂々とした姿、鋭い眼差しに青年はあからさまに戸惑っていた。
その通り。自分はこの国の者ではなかったから。
「アイゼンシュタットの者ならば、この森には決して近寄らない。その理由を知っているからだ⋯⋯」
どこか含みを持たせたその言葉に、青年は掴んでいた手を離す。
「じゃあ、彼女はなんだっていうんだ? 僕も彼女もこの森であんたに救われた」
だろ? とベッドに視線を移す青年に、彼は「この女は例外だ」と呟く。
「よそ者に何も語るつもりはない。彼女の傷も、明日には癒えよう。────後はその女次第だ」
弱々しい呼吸を繰り返しながらも、その命を必死に繋ぎ止めようとしているその寝姿を、彼はただ無表情に眺めている。それはまるで、彼女を責めているようにも見えたのだ。
「なぜ、そこまでして『生』にしがみつく」────と。
彼の心の声が、青年には聞こえた気がした。