Tageliet──永遠の秘薬──
その者を襲うのは激しい全身の痛みと、記憶の錯乱。それは使い続けることにより強くなり、やがては想像を絶する激痛にまでなるのだと。使う量や頻度を間違えてもそれは同じこと。もしも一度に大量を摂取してしまうと、その副作用は計り知れないものになるだろう、とも。
その痛みはもはや人間に耐えられるものではないと、ヴィクトールを見つめていた視線は逸らされた。
「⋯⋯そして行き着くところは────我が同胞となるだろう。⋯⋯人が忌み嫌うヴァンパイアに⋯⋯」
日の光から僅かに身体を反らし太陽から顔を背けるクラウスは、紫外線に晒されていた自身の左手甲を右手で庇い僅かに顔を歪ませていた。
そんな彼の所作に「そんなものが⋯⋯」と呟きながらも、ヴィクトールの視線はクラウスの手元を捉えたまま。
「人間との共存を望み作り上げた薬が、逆にその調和を乱すきっかけになってしまった⋯⋯ということか?」
「その通りだ。だからこそ隠しておかなければならなかったのに、よりにもよってゲオルクに知られてしまうなど⋯⋯。ヤツは一族と親交の深かった国王をも唆し薬を手に入れようと画策したが、逆に国王から宰相の任を解かれてしまった」
その痛みはもはや人間に耐えられるものではないと、ヴィクトールを見つめていた視線は逸らされた。
「⋯⋯そして行き着くところは────我が同胞となるだろう。⋯⋯人が忌み嫌うヴァンパイアに⋯⋯」
日の光から僅かに身体を反らし太陽から顔を背けるクラウスは、紫外線に晒されていた自身の左手甲を右手で庇い僅かに顔を歪ませていた。
そんな彼の所作に「そんなものが⋯⋯」と呟きながらも、ヴィクトールの視線はクラウスの手元を捉えたまま。
「人間との共存を望み作り上げた薬が、逆にその調和を乱すきっかけになってしまった⋯⋯ということか?」
「その通りだ。だからこそ隠しておかなければならなかったのに、よりにもよってゲオルクに知られてしまうなど⋯⋯。ヤツは一族と親交の深かった国王をも唆し薬を手に入れようと画策したが、逆に国王から宰相の任を解かれてしまった」