Tageliet──永遠の秘薬──
「でも怪我を負ってたのは確かだと思う。着てたドレスは血だらけになってたし、時々、腹部が痛むの。まだ傷が癒えてないみたいに⋯⋯」
言葉で理解してもらうには難しい事柄だが、彼女にとってその身に起きた事実なのだ。「話が分からん」と頭を抱えるライナーに、何をどう噛み砕けば伝わるのか、再び墓石に目を遣る。
まるで、母に助けを求めるように────。
その時、ふと気になった。墓石の前に、土が掘り返されたような形跡があるのを。
考えるより早く、イザベラは行動していた。その場にしゃがむと、探るよう恐る恐るその場所に触れる。土はまだ柔らかく、掘り返されてそう何日も立っていないようだった。手やドレスの袖は土まみれ。しかし汚れることなど気にもとめず、無我夢中で掘り下げた三十センチ四方の穴から、何の飾り気もない古びた木箱の蓋が現れたのだ。
腰を折り、それは? と尋ねる彼に当然の如く首を傾げる。全てを掘り起こし箱を持ち上げると中を改めた。
そこに入っていたのは一冊の日記らしき書物。
何だろう? と手を伸ばしそれに触れた次の瞬間、イザベラの頭に激痛が走った。
言葉で理解してもらうには難しい事柄だが、彼女にとってその身に起きた事実なのだ。「話が分からん」と頭を抱えるライナーに、何をどう噛み砕けば伝わるのか、再び墓石に目を遣る。
まるで、母に助けを求めるように────。
その時、ふと気になった。墓石の前に、土が掘り返されたような形跡があるのを。
考えるより早く、イザベラは行動していた。その場にしゃがむと、探るよう恐る恐るその場所に触れる。土はまだ柔らかく、掘り返されてそう何日も立っていないようだった。手やドレスの袖は土まみれ。しかし汚れることなど気にもとめず、無我夢中で掘り下げた三十センチ四方の穴から、何の飾り気もない古びた木箱の蓋が現れたのだ。
腰を折り、それは? と尋ねる彼に当然の如く首を傾げる。全てを掘り起こし箱を持ち上げると中を改めた。
そこに入っていたのは一冊の日記らしき書物。
何だろう? と手を伸ばしそれに触れた次の瞬間、イザベラの頭に激痛が走った。