Tageliet──永遠の秘薬──
 様々な映像がまるで走馬灯のように流れては消え去る。

「イザベラ!! 大丈夫か!?」

 蹲り頭を抱える彼女を慌てて介抱するライナー。しばらくして頭痛が治まり、彼に支えられるよう身を起こした彼女は愕然としていた。

「⋯⋯思い出した⋯⋯⋯⋯全部」

 呟く彼女にライナーは「何が?」と問いかけながら、彼女の肌に怪我はないかと確認する。

「思い出したのよ! 何があったのか!」

「ちょっと、落ち着けよ!」

「落ち着いてなんかいられない!! 急がなきゃ! 彼が────クラウスが危ないの!!」

「とっ、とりあえず! 話を聞かせろ。俺にも分かるように」

 軽くパニックになっているイザベラを、一先ず落ち着かせようとライナーが宥める。そんな時間はないと先へと急ぐ彼女と、訳を聞かせて欲しいとその場に引き止める彼とですったもんだ。

 その時、そう遠くない場所で人の足音がした。
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