Tageliet──永遠の秘薬──
どこか嫌な予感がしたイザベラは、ライナーの腕を掴むと近くの茂みに引き入れ身を隠した。ライナーも軍人の勘が働いたのか、異様な雰囲気を悟ったのだろう。彼女をその背に庇うと、息を殺し辺りを窺った。
段々と近づいてくる足音に上がる心拍数。未だ泥だらけのままのイザベラの手は小刻みに震え、怯えているのが分かる。年頃の女性らしく可愛く見えたその姿に、ライナーは「大丈夫だ」と微笑むと彼女の手に自分の手を重ねた。
「俺がついてる。心配するな」
優しく頼もしい眼差しにイザベラは大きく頷いた。
やがて数人の男の声が近づいて来る。茂みの間から顔を覗かせると、見えたその姿に二人はことの他驚いていた。
「ギルベルト⋯⋯? 宰相が何でこんな場所に?」
「私の後をつけてきたのよ。あなたを尾行するなんて無理でしょ? そもそもここには、お父様さえ近寄らないのに⋯⋯」
ヒソヒソと話すイザベラとライナーの側で、何人かの兵士が辺りを徘徊しながら何かを探していた。
聞こえてくる会話に二人して聞き耳をたてる。
段々と近づいてくる足音に上がる心拍数。未だ泥だらけのままのイザベラの手は小刻みに震え、怯えているのが分かる。年頃の女性らしく可愛く見えたその姿に、ライナーは「大丈夫だ」と微笑むと彼女の手に自分の手を重ねた。
「俺がついてる。心配するな」
優しく頼もしい眼差しにイザベラは大きく頷いた。
やがて数人の男の声が近づいて来る。茂みの間から顔を覗かせると、見えたその姿に二人はことの他驚いていた。
「ギルベルト⋯⋯? 宰相が何でこんな場所に?」
「私の後をつけてきたのよ。あなたを尾行するなんて無理でしょ? そもそもここには、お父様さえ近寄らないのに⋯⋯」
ヒソヒソと話すイザベラとライナーの側で、何人かの兵士が辺りを徘徊しながら何かを探していた。
聞こえてくる会話に二人して聞き耳をたてる。