音のない世界に生きる私が、あやかしの妻になりました
そうして数日後の暖かな春の日。
桜も満開に咲き誇り、綺麗な花吹雪となって宙を舞っている。
その大きな桜の木の前で、仲睦まじく寄り添う桜と黒稜の姿があった。
「桜、これからもずっと傍にいてくれ」
「はい、黒稜様」
二人は静かに唇を重ね合わせた。
ひょっこりと覗いていた小さなあやかし達が、二人の幸せそうな笑顔を嬉しそうに見守っていた。
終わり
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