クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
甘い夜、危険な夜
「え、いま何時⁉︎」
わたし蓮香柑菜、高校一年生。
つい最近、柳田学園に入学したばかり......なんだけど。
「さ、早速やってしまった......」
放課後、図書室に残って勉強していたのに、気づいたら寝てしまった。
スマホで時間を確認したら、なんと日付を超えて夜の十二時を過ぎていた。
ど、どうしよう。
わたしは学園の寮で生活をしていて、寮の門限はとっくに過ぎてる。
寮の入り口には寮母さんがいるから、正面突破はまず無理......。
となると、寮の裏口からこっそり帰るしか......。
しかも、災難なことは重なって。
「うぅ、なんか寒い......かも」
変な体勢で長時間うたた寝してたせいか、体調が悪くなってる気がする。
昨日から少し風邪気味だったから、悪化しちゃったかな。
なんだか熱っぽいし、だるさも出始めてきた。
「とにかく、早く寮に帰ろう」
なんとか身体を動かして、図書室を出て校舎の外へ。