クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
奥のほうで女の人が男の人に腕を回して、馬乗りになってるし、制服がなかなか乱れてる。
「......っ、もっと......」
「......ん、ここ?」
ふたりともお互いに夢中で、わたしの存在には気づいていない。
これは、見なかったことにして、ここを立ち去るのがベスト。
わたしがこっそり教室から出ようとしたら、男の人と目が合った。
ん......?
あれって風神先輩......?
これは、そういうことをしてるってことで......見てはいけない現場だったかも。
とにかく気まずすぎて、逃げるように寮へダッシュで帰宅。
そういえば、前に凛花ちゃんが言ってたっけ。
風神先輩は、顔はいいけど来るもの拒まずなところが玉に瑕だとか。
相手は誰でもよくて、特定の彼女は作らない、いわゆる女たらしなところがあるって。
はぁ......とにかく、さっきのは記憶から抹消して――。