クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。

「寮には女を連れ込めないからなー」

「だからって、学校でそういうこと......」


「お前だって深影と散々してんじゃねーの?」

「な、なっ......!」


「なんだよ、そのピュアな反応は」

「だ、だって......うぅ......」


「......は? まさか深影に手出されてねーの?」
 
マジか、ありえないって顔してる風神先輩。


「ははっ、深影におあずけ食らわせるとかお前すげーな」


これって褒められてる?

いや、風神先輩の爆笑してる様子から見てたぶん違う。



「まあ、それだけ柑菜を大事にしてるってことか」


「からかわれてるだけだと思いますけど」


深影くんの本来の目的は、あくまで口止めと監視。


だから、大事にしてるとか、そういうのじゃない......たぶん。


でも、なんでだろう......胸のあたりがもやっとする。



「いや、どう見てもあれは本気だろ。アイツの愛って結構異常だから。愛に飢えてんのかもね」


その言葉の意味が、わたしにはよくわからず――。

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