クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
信頼と恩人
もうすぐ夏休みに入る七月上旬。
梅雨が明けてから寝苦しい夜が続いて、暑さにめっぽう弱いわたしにとって夏は強敵だ......。
朝はとにかく眠くて、思考がほとんど機能してない。
何も考えずに、ぼうっと洗面所へ。
とりあえず水で顔を洗ったけど、まったく目 が覚めない。
歯ブラシを手に取って歯磨き粉をつけようとしたとき、紫桜くんがやってきた。
「あ......、おはよう。えっと、ここ使うよね」
わたしがちょっと横にずれても、紫桜くんは微動だにせず。
これは今に始まったことじゃないけど、わたしは紫桜くんに嫌われてる......。
きっと、今わたしがここに住んでることもよく思ってない。
わたし何かしたかなぁ......なんて、ほとんど機能してない頭を働かす。