クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
もしかして、無意識に紫桜くんに嫌われるようなことしてたとか。
いや、そもそも出会ったときからこんな感じだから、もともとわたしを嫌ってた説が濃厚......なんて結論にいきついて、歯を磨き始めた。
ん......?
なんか今日は歯磨き粉がずいぶん薄いような。
さっきちゃんと歯磨き粉つけたはずなんだけどな。
すると、ずっと無言だった紫桜くんが口を開いた。
「それ、磨いてる意味ある?」
「ふ......へ?」
「ちゃんと確認したら? ってか、洗面所は共有なんだからきれいに使いなよ」
紫桜くんが下のほうを指さすから目線を落とすと、なんと歯磨き粉がスリッパの上に落下してる。
どうりでなんか薄いわけだ!