クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
同じ日の休み時間。
体育の授業が終わって、ひとり更衣室から戻る途中のこと。
廊下でばったり紫桜くんと遭遇。
朝のこともあって、若干の気まずさを感じる。
まあ、学園内で会ってもお互い声をかけることもないし、ここはこのままスルーするのが――。
「はぁ......それで教室戻る気?」
「......え?」
すれ違いざまに、紫桜くんに腕をつかまれた。
びっくりして振り返ると、紫桜くんはいつもの呆れ顔をしていた。
えっと、わたしまた何かやっちゃった......?
「指摘する僕の身にもなってよ」
「......?」
「ブラウスのボタン、上のほう結構開いてるけど」
「はっ...... ほ、ほんとだ!」
暑さに気を取られすぎて、まったく意識してなかった......!
今わたしの嫌われポイントがアップした気がする......。