クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
「柑菜ちゃんに何かあったのかと思って、本気で心配したよ!」
「な、何もなかった......よ」
なぜか今、この前の夜のことを思い出してしまった。
「嘘だぁ! 柑菜ちゃん嘘つくときわかりやすっ!」
「え、えっ⁉︎」
「何があったのか教えてよ〜。気になりすぎてわたしが寮に張り込んじゃいそうだよ!」
そ、それは困る。
凛花ちゃんには話してもいいかな。
「えっと、うーん......あの、たぶん夢だと思うんだけど」
「うんうん」
「すごいイケメンと夜の学校で出会って、それからキス......しちゃった、かも」
「えー⁉︎ 何その妄想みたいな夢は‼︎」
「だ、だからたぶん夢って――」
「いや、それが夢じゃなかったとしたら⁉︎ イケメンってところが気になる!」
凛花ちゃんはイケメンという単語に目がない。
もちろん目の保養的な意味で。