クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


とりあえず、わたしに断る選択肢はなさそうなので、着替えようとしたんだけど。


「......って、なんで深影くんが脱がそうとするの⁉︎」


「柑菜ひとりだともたつきそうだし」

「だ、大丈夫だから! 深影くんは後ろ向いて!」


ドレスに腕を通すと、驚くほどサイズがピッタリ。

丈感とかすべてがわたしに合ってる。


着慣れないドレスに苦戦しながら、あとは首の後ろのリボンを結ぶだけ。



「あの、深影くん。後ろのリボンがうまく結べなくて」


「......おいで。俺がやってあげる」


深影くんが、わたしの背後に立った。


首元にリボンがこすれると、ちょっとくすぐったい。


シュッとリボンが結ばれた音がして、振り返ろうとしたら。


「な、なんで抱きついてるの」

「んー、しばらく柑菜に触れられないから?」


甘えるみたいに後ろから包み込まれた。

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