クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
寮は学園の敷地内にあるけど、校舎から少し離れてる。
「はぁ......っ、なんかぼうっとする」
熱が上がってきたのか、身体のしんどさがピークを迎えてる。
しかも、夜の学校って何か出そうじゃない......?
びくびくしながら足を進めると、いきなり目の前に真っ黒な影が。
えっ、うそ。
もしかして、誰か人が――って、ん?
校舎の壁にもたれかかって座り込んでる人がひとり。
グタッとしてる様子から寝てるのか、それとも意識を失ってる?
そっと近づいて、目線が合うようにしゃがみ込んだ。
暗くてあまりよく見えないけど、男の子......かな?
全身真っ黒のスーツに身を包んでいて、大人っぽい甘い香水の匂いがする。
この学園の生徒......?
だとしたら、こんな夜になんでここに?
しかも、呼吸が浅いのか苦しそうにしてる。
これは、もしかして緊急事態なんじゃ?