クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「それにさ、こんなふうに言い返してくるなら、なおさら監視下に置いたほうがいいと思わない? 俺たちが見てないところで何かするかもしれないし。碧緒も粋生もそれを懸念してるんでしょ?」



「そ、それはそうだけどな」


「......深影くんが言うことも一理ある」



「柑菜とふたりで話がしたいからさ、いったんふたりとも外してくれる?」


こうして、風神先輩と紫桜くんは部屋を出ていった。


残されたわたしは、綺堂先輩とふたりっきり。



「さて、柑菜は俺に何してほしい?」

「な、何してほしい?」


「あれ。質問したのに同じこと返ってきたね」


「えぇっと......じゃあ、早くここから解放してほしいです」



「それは傷つくなぁ。それじゃ、ファーストキス奪っちゃったおわびさせてよ」


「そ、それは必要ないです」


ファーストキスがなくなったのはショックだけど、事情があったわけだし。


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