クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


そもそも、わたしから深影くんに近づきたいですなんて言ってないのに!


でも、こんなこと言ったら「よくそんな口がきけるよね」......なんて返されそうだから黙っておこう。



紫桜くんに連れられて、特別寮へ。

ここは深影くんと風神先輩、そして紫桜くんだけの専用の寮らしい。


深影くんに許可された人が入寮できるんだって。


紫桜くんが寮の入り口でカードキーをかざすと、そのすぐ横にある小さなボックスが開いて、その中に部屋の鍵が入ってる。



「ここ、僕ら以外が侵入したらすぐ防犯システムが発報して警備会社が駆けつける仕組みだから」


「な、なるほど......って、今わたしは侵入者ってことになるんじゃ⁉︎」


「はぁ......ほんと呆れる。僕が一緒なんだし、ここ数日ずっと出入りしてるんだから大丈夫に決まってるでしょ」


た、たしかにそうだけど......そんな言い方しなくても。


というか、なんでわたし毎日ここに通ってるみたいになってるんだろう?


それもぜんぶ深影くんの気まぐれのせいなのか――。


< 32 / 151 >

この作品をシェア

pagetop