クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


そっと手を伸ばして、わたしの頬に触れた。


指がわたしの唇にスライドして、形をたしかめるようになぞってくる。


「自分の運のなさ......恨みなよ」

「んんっ......」


唇に押し付けられる、やわらかい感触。


熱に浮かされて......少しの間、思考が停止した。


間近で絡む視線、濡れた唇がもっと求めるように誘って......今やっとキスされてるって理解した。


な、なんでこんなことに......っ?


拒もうとしても、全身が甘さに震えて......抗えない。

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