クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
さらに風神先輩は話し続ける。
「深影は人間不信なところあるんだよ。俺があんまり話していいことじゃないかもしれねーけど。アイツは自分の育ってきた環境も、その周りにいる家族も嫌いなんだよ。とくに父親とはあまり関係が良くない。唯一、深影のことを理解していた母親も幼いころに亡くしてるから」
そう......だったんだ。
「綺堂グループの御曹司だからって、その地位を目当てに近づいてくるやつもたくさんいる。こういう世界はきらびやかに見えるけど、実際はそうじゃねーんだよな。人間の欲がわかりやすく出るっていうか、信用していた人間があっさり裏切ったり、そういう汚い大人たちを深影は間近でたくさん見てきた」
「............」
「だから、深影がお前に心を開いたのが不思議なんだよなー。まあ、何か特別な理由があるんだろうけど」