クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
素顔と本音


時刻は朝の六時。

「......ね、眠い」


満開だった桜が散って、気づけば五月に突入していた。


最近、朝早く起きて深影くんを起こしに行くという役目も追加された。


朝が弱いわたしは、毎朝この時間に起きるのにとても苦労してる。


頭がほとんど働いてない状態で、最低限の準備をすませて深影くんの部屋へ。


ベッドですやすやきもちよさそうに眠ってる深影くん。


「深影くーん、朝だよ起きて」

「............」


反応なし......。

身体を軽く揺すってみた。


「深影く――わわっ」


ものすごい力で腕を引かれて、深影くんの腕の中にすっぽりおさまる。


これはたぶん寝ぼけてる......?

腕の中から抜け出そうとしてみたんだけど。

< 66 / 151 >

この作品をシェア

pagetop