クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
素顔と本音
時刻は朝の六時。
「......ね、眠い」
満開だった桜が散って、気づけば五月に突入していた。
最近、朝早く起きて深影くんを起こしに行くという役目も追加された。
朝が弱いわたしは、毎朝この時間に起きるのにとても苦労してる。
頭がほとんど働いてない状態で、最低限の準備をすませて深影くんの部屋へ。
ベッドですやすやきもちよさそうに眠ってる深影くん。
「深影くーん、朝だよ起きて」
「............」
反応なし......。
身体を軽く揺すってみた。
「深影く――わわっ」
ものすごい力で腕を引かれて、深影くんの腕の中にすっぽりおさまる。
これはたぶん寝ぼけてる......?
腕の中から抜け出そうとしてみたんだけど。