クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


わっ......やっぱり今日すごく大人っぽい。


なんだかいつもと違う深影くんを見てるみたいで、胸のあたりがざわつく。


「なーに。俺の顔になんかついてる?」

「う、あ......や、えっと」


「あれ、もしかして見惚れてた?」


完全に図星で返す言葉もない。


それに気づいた深影くんは、もっとイジワルに笑うの。


「素直に表情に出るのも可愛いよね」

「だって、いつもと雰囲気違う......から」


「こっちのほうが好き?」

「うぅ、わかんない」


こんなふうに翻弄されるわたしの身にもなってほしい。


余裕いっぱいの深影くんは、表情を崩さないまま、わたしの反応を愉しんでる。

< 71 / 151 >

この作品をシェア

pagetop