クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「柑菜のこんな可愛いところ見れるなら、会食も悪くないね」

「お父さんと会食......?」


「そうだね。他にも父親の会社関係者も何人かいたけど。まあ、会食って基本つまんない場だから。そんなに関わりのない人間と上辺だけの会話するくらいだし」


かなり冷めた感じで、疲れてる......というか呆れてるようにも見える。


前に風神先輩が言ってた。

深影くんは、自分の育ってきた環境や家族が嫌いだって。


きっとこれは、深影くんが抱えてる問題で、わたしが詮索していいことではない。


「にゃ、にゃに......?」

「ん? 可愛いなーって」


わたしの頬をふにっと触って、さっきまでの表情はどこかへ消えて、いつもの顔で笑ってる深影くん。



「ね、もっと柑菜に触れていい?」

「へ......」


「俺疲れてるからさ......柑菜が癒して」


耳元でささやかれた声に、一瞬クラッとした。

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