クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
「もっと甘いの教えたくなるね」
「......もうキャパオーバーなのに」
「冗談だよ。柑菜に嫌われたくないし」
そ、そんな大げさな。.
.....と思ったけど、深影くんの表情がいつもと少し違うのが気になった。
それに、わたしがどこにも行かないように、強く抱きしめてきた。
なんとなく今は突き放しちゃいけない気がして、少しだけ抱きしめ返した。
「み、深影くん。あの、もし何か抱えてることとか、悩んでることあったら、わたしでよければ話だけでも聞くから......ね。あんまりひとりで抱え込むのよくないと思うし」
「......柑菜が優しいのは変わらないね」
声が少しうれしそう。
わたしを抱きしめたまま、しばらくして深影くんが何かを
振り返るように話し始めた。