クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「けど、俺は周りが認める人間にならないといけない。......ほんと勝手だよね」


深影くんは普段から、あまり感情が読めない。

……というより、隠すのが上手で他人には簡単に読み取らせない。


でも今は、素のままで自分の思いを話してくれてる気がする。



「......柑菜にはなんでも話しそうになる」


抱きしめる力を少しゆるめて、わたしをじっと見つめる瞳が寂しげで......消えてしまいそうな儚げな笑顔。



一瞬......ふわっと記憶の中で、とある人の顔が浮かんだ。



その人と、今の深影くんが重なって......どこか面影があるような......。


もしかして、わたしと深影くんはどこかで会ったことある......?

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