クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
甘い特別感


梅雨っぽさが増してきた六月上旬。


もうすぐやってくる期末テストに向けて、わたしは図書室に残って勉強中。


定期テストで上位でいることが、特待生でいられる絶対条件だから。


「あっ、蓮香さんだ。今日も残って勉強?」

「宇賀くん!」


彼は同じクラスの宇賀敬人くんで、わたしと同じ特待生で寮に入ってる。


宇賀くんは、とにかく頭がよくて、穏やかで落ち着いた雰囲気の男の子。


宇賀くんも定期テスト前になると、放課後の図書室で勉強してる。



最初は同じクラスの子ってくらいの認識だったんだけど、テスト前によく図書室で会うよねって話したのをきっかけに、仲良くなった。



この学園で特待生を目指す生徒は、おもに学費免除を目的としてることが多い。


宇賀くんが特待生である理由を聞いたことはないんだけど、わたしと同じ境遇だったりするのかな......なんて、勝手に親近感がわいたり。

< 78 / 151 >

この作品をシェア

pagetop