クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。
「なんでそんなコソコソしてるの?」
「いや、えっとカードキーが見つからなくて」
「んじゃ、俺が開けるから一緒に入ろ」
あとでちゃんとカードキー探さなきゃ。
自分の部屋に向かおうとしたら、右手をスッと取られた。
「み、深影くん?」
「柑菜の顔見たら触れたくなった」
取られた手が、深影くんの頬に誘導される。
少し甘えるように、頬をすり寄せてくるのが深影くんのずるいところ。
こんなのダメなんて言えるわけない。
――で、結局深影くんの部屋へ。
最近思うんだけど、深影くんはとにかくスーツがよく似合う。
ジャケットを脱ぐとき、ネクタイをゆるめるとき、腕時計を外すとき......とにかく、いつもと違う雰囲気の深影くんに見惚れてしまう。