クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「なんでそんなコソコソしてるの?」

「いや、えっとカードキーが見つからなくて」


「んじゃ、俺が開けるから一緒に入ろ」


あとでちゃんとカードキー探さなきゃ。

自分の部屋に向かおうとしたら、右手をスッと取られた。


「み、深影くん?」

「柑菜の顔見たら触れたくなった」


取られた手が、深影くんの頬に誘導される。


少し甘えるように、頬をすり寄せてくるのが深影くんのずるいところ。


こんなのダメなんて言えるわけない。


――で、結局深影くんの部屋へ。


最近思うんだけど、深影くんはとにかくスーツがよく似合う。



ジャケットを脱ぐとき、ネクタイをゆるめるとき、腕時計を外すとき......とにかく、いつもと違う雰囲気の深影くんに見惚れてしまう。

< 81 / 151 >

この作品をシェア

pagetop